ガーベラの栽培
ガーベラは一年中咲く花です。特に春と秋がガーベラにとっての適温で、品質の良い花がたくさん咲きます。
ガーベラは多年草なので何年でも枯れずに咲くのですが、ガーベラファーム西浦では約2~3年に1度、約半分の面積の植え替えをしています。
まず、4月の中旬から苗屋さんからガーベラの苗が届き始めます。
苗のトレーを取り出し、空いた時間に1 苗ずつ鉢上げをしていきます。6㎝の黒ポットにトップソイル1号という土で鉢上げします。
鉢上げが終わるとベンチ(花台) にのせて、病気対策にニームオイル1000倍とタチガレエース1000 倍を灌注します。
そこから土の乾き具合を見ながら、薄い液肥を手潅水していき、2〜3週間管理します。土が乾いて苗が萎れないように1 鉢ずつしっかり確認しながら水をやります。
苗は強い日差しに弱いので、50% の遮光をします。
5月頃からは朝の水やりと昼の水やりで2回位水やりします。朝1番の水やりは、1鉢ずつ見ながらかけるので、超繁忙期の4000 株位かける時は1 時間弱ほどかかります。
6月の梅雨入りからは、ハンテン細菌病や根腐れ病の発生を防ぐために雨の日は灌水をせず、曇りの日は控えめに灌水しています。
苗を管理している間に、育った苗をスムーズに植え付けていけるように植え付けるポット( 鉢) の準備をしていきます。
植え付けるポットは、農閑期に殺菌消毒をして洗っておきます。
ポットを重ねたまま消毒液につけると中の方のポットが殺菌されないので、1鉢ずつバラバラにして漬けていきます。
5 分位漬けたら、散水ノズルのジェットモードでポットの汚れと消毒液を洗い流します。
圃場の準備
新しい苗を植えるために、植え替え予定の温室のベンチを片付けます。ガーベラファーム西浦では、2年経った株を植え替えています。新しい苗と2年株では、灌水の管理や遮光の仕方が違うので、6カ所ある施設で1 カ所丸ごとずつ植え替えています。こうする事で、2年株から新しい苗に病気や虫やダニがうつる事を防いでいます。
2年株でも元気な品種はパイプハウスに持っていきます。名付けて引っ越し農法。カゴに5株ずつ入れて運び出します。重労働ですが、みんなでワイワイしながら運ぶので、楽しいです。
運び終わってからはベンチの掃除です。
葉っぱのごみを吹っ飛ばします。古い動力散布機のエンジンの爆音と振動が強烈です。
次はポット詰めです。ヤシガラのハスクチップで、ダイヤモンドという培地かDW という培地を使っています。
タフブネに1体をドカンと入れて、水で湿らせてから詰めていきます。ちょうどいい硬さに詰めます。
詰め終わったポットは台車の楽太郎に乗せて効率良くスピーディーに運びます。
ポットの設置が完了したら、苗の黒ポットのサイズに穴を空けたロックウールを置いていきます。タフブネに水を入れてロックウールを漬け、濡れた状態で置きます。
ロックウールをキチンと真ん中にそろえ直して、灌水用のスティックを挿します。
液肥を半日位流してから苗を植え付けていきます。育苗施設から苗を車に乗せて、楽太郎に乗せ替え出発です。
ここから2ヶ月くらいで花が咲き始めます。
全ての苗が植え付け終わっても、まだまだ気は抜けません。虫や病気、スティックが詰まって水切れしていないかなど毎日パトロールします。
葉っぱが大きくなってきたら、株元に小さな蕾が出てきます。1番花が咲いてくるのを見ると、毎年感動します。